解説

認知絵とは?

絵を描くことが得意な日本語教師のみかんは、

時々授業で説明のために、ささささ~っとボードに絵を描いて

学生たちに見せているそうです。

この絵、

簡単に、ささささ~っと描いているように見えますが、

実はみかんなりにこだわりと工夫のある絵なのです。

みかんは、文の主語にたつ「わたし」(=話者でもあります)が、

こっちに真正面の顔を向けているのはオカシイなと感じたそうです。

だって、自分に自分の顔が、そして姿が真正面から見えることって

現実にはないでしょう?

自分には自分の顔は見えません。

見えるのは、自分の体と、体から出ている手と足。

わたしの方を向いて真正面に見えるのは、

いま、自分が話をしている相手です。

このように見えている世界を、見えている通りに描こうとしたのが

みかんの絵教材の原点です。

そして、このようにして描いたみかんの絵教材は、

認知心理学や現象学の分野ではよく知られている「マッハの自画像」に

通じるものがあると、認知言語学者の今井隆夫先生から

ご教示いただきました。

そういえば、みかんの絵は認知言語学の考え方に共通するものがあるように見えます。

決してみかん自身がそのことを意識して描いたわけではありません。

が、

みかんが見たままの世界の姿を絵として写し取ろうとしていること、

つまり、みかんが認知した世界の図ということで、

認知言語学の考え方に共通する性質を持っていたのです。

池上嘉彦先生は、

「話者から見えている世界をありのままに話すのが日本語である」

と述べておられます。

日本語の世界を、日本語ネイティブ話者の感覚のままに

絵の上に表そうとしたことで、

みかんの絵は認知言語学っぽい色合いを帯びた性質をもつことになったようです。

認知言語学を踏まえたというのでもなく、真似をしたのでもなく、

みかんの絵教材はあくまで、みかん個人が認知した日本語の世界の再現なので、

「これは認知言語学的に正しくない」ということもあるかもしれません。

でも、そこは現場の日本語教師ですから、

学習者にとってのわかりやすさ、教師にとっての使いやすさを優先しているということもある

ことをご了承ください。

ただ、この一連の絵教材が

「みかんが認知した世界」であり、

「結果的になんとなく認知言語学っぽくなった」ものでもあり、

そして、認知言語学が外国語教育に貢献しようとして目指しているところと

同じところを目指したいという志もあって、

この絵教材に「認知絵」Cognitive Illustrations という名前をつけました。

このみかんの認知絵を日本語の授業で有効にお使いいただければ幸いです。

学習者が、見て、楽しんで、

日本語の語彙・文型をすんなり理解できて、

日本語の性質について発見をして、

どんどん語彙を覚えてネットワークを広げて、

ネイティブに近い語感を養えるような絵教材の作成を目指して、

みかんは「みかんの認知絵」を描き続けます。

なお、このサイトにさきがけて、

2011年10月からTERAKOYA-tutor.bunko(http://www.facebook.com/tutor.bunko)で

みかんの認知絵をアップしてまいりましたが、そこで貴重なコメントをくださった

今井隆夫先生、John.Haig先生、日本語学習者の星川くん、ブランドンくんに

この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。

みかんの相棒、とまとん記す












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